牛乳は錆びた脂?

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  市販の牛乳は「錆びた脂」といえる
胃腸内視鏡検査の世界的権威で、医学者の新谷弘実先生が最近の著書「病気にならない生き方」で、この説を紹介している。
各酪農家から集められた生乳は、大きなタンクに集められ、かき回してホモゲナイズします。ホモゲナイズというのは、「均等化」という意味です。では何を均等化するのかというと、生乳に含まれる脂肪の粒です。
生乳には、約4%近い脂肪が含まれていますが、その大部分は「脂肪球」と呼ばれる「粒」として存在しています。脂肪球は大きいものほど浮上しやすいため、生乳をそのままにしておくと脂肪分だけがクリームの層となって浮上してしまいます。昔飲んだ瓶詰めの牛乳は、厚紙でできたふたを取ると、ふたの裏側にべったりと白いクリーム状の脂が付いていました。これはホモゲナイズされていなかったため、運搬の過程で脂肪球が浮き上がってしまったからです。
こうしたことを防ぐために、現在はホモゲナイザーという機械を用い、脂肪球を機械的に細かく砕いているのです。こうして作られたものが「ホモ牛乳」と呼ばれるものです。
ところがホモゲナイズすることにより、生乳に含まれていた乳脂肪は酸素と結びつき、「過酸化脂質」に変化してしまいます。過酸化脂質というのは、文字通り酸化しすぎた脂肪ということですから、別の言い方をすれば「ひどく錆びた脂」ということになります。
そして、こうした酸化した食物が体内に入ると、フリーラジカル、とくに活性酸素を作り出す原因となります。フリーラジカルは、細胞内の遺伝子を壊し、ガンの原因を作るなど、さまざまな健康被害をもたらすことで知られています。
  「超高温短時間殺菌」でエンザイムはゼロ
また新谷先生が、指摘しているのは次の点です。ホモゲナイズされた牛乳は、さまざまな雑菌の繁殖を防ぐために加熱殺菌されることが義務づけられています。牛乳の殺菌方法は、大きく分けて次の4つがあります。
@ 低温保持殺菌方法(LTLT)−62度〜65度で30分間加熱し殺菌する。一般的に「低温殺菌法」といわれる。
A 高温保持殺菌法(HTLT)−75度以上で15分間以上加熱し、殺菌する。
B 高温短時間法(HTST)−72度以上で15秒以上加熱し殺菌する。世界的に最も一般的に用いられている殺菌方法。
C 超高温短時間殺菌法(UHT)−120〜130度で2秒間(または150度で1秒間)加熱し殺菌する。

世界の主流は高温短時間法(72度以上で15秒以上)ですが、日本の主流は超高温短時間殺菌法(120〜130度で2秒間)です。エンンザイムというのは、熱に弱く48度から破壊を起こし、115度で完全に壊れてしまいます。ですから、どんなに短時間であっても130度もの高温にさらされた時点で有用なエンザイムはほぼ完全に失われてしまいます。
また、超高温にさらされることによって、過酸化脂質の量はさらに増加します。そして、さらに問題なのが、タンパク質が熱性変質するということです。卵を長時間ゆでると黄身がぼろぼろになりますが、牛乳のタンパク質にも同じような変化が起きているのです。熱に弱いラクトフェリンも失われます。こうして日本の市販牛乳は、多くの栄養素が失われて、健康を阻害する食物になってしまうのです。
  牛乳の飲み過ぎこそ骨粗そう症を招く
さらに新谷先生は、「牛乳の飲み過ぎこそ骨粗そう症を招く」と指摘しています。「年をとるとカルシウムが減るので、骨粗そう症にならないように牛乳をたくさん飲みなさい」と今まで医者から言われてきたのですから、これにはびっくりです。先生のこの本には、次のように書かれています。
牛乳のカルシウムは、小魚など他の食物に含まれるものより吸収がよいといわれますが、それは少し違います。
人間の血中カルシウム濃度は、通常9〜10ミリグラム(100cc中)と一定しています。ところが牛乳を飲むと、血中カルシウム濃度は急激に上昇するそうです。そのため一見すると、カルシウムがより多く吸収されたように思いがちですが、この「血中濃度の上昇」こそが、悲劇をもたらすのです。じつは急激にカルシウムの血中濃度が上がると、体は血中のカルシウム濃度を通常値に戻そうと恒常性コントロールが働き、血中余剰カルシウムを腎臓から尿に排泄してしまうのです。つまり、カルシウムをとるために飲んだ牛乳のカルシウムは、かえって体内のカルシウム量を減らしてしまうという皮肉な結果を招くのです。牛乳を毎日たくさん飲んでいる世界四大酪農国であるアメリカ、スウエーデン、デンマーク、フィンランドの各国で、股関節骨折や骨粗そう症が多いのはこのためでしょう。
これに対し、日本人が昔からカルシウム源としてきた小魚や海藻類に含まれるカルシウムは、血中カルシウム濃度を高めるほど急激に吸収されることはありません。しかも、牛乳を飲む習慣のない時代の日本には、骨粗そう症はありませんでした。現在も、牛乳を飲む習慣のない人や牛乳の嫌いな人に骨粗そう症が多いという話しは聞いたことがありません。小エビや小魚、海藻類は腸内で消化された後、体に必要なカルシウムとミネラル分を吸収するので、体の仕組みに即したよい食物といえるのです。と説いています。
私事ですが、80才になる母が20年以上も前から「牛乳はカルシウムが豊富で、骨が丈夫になる」と医者に勧められ、牛乳を毎日飲み続けて養生していたのですが、逆に5〜6年前に骨粗そう症と診断されてしまったのです。今は、二週間に一回の割合でカルシウムの注射をしてもらっている始末です。新谷先生の言う通り、「牛乳の飲み過ぎこそ骨粗そう症を招く」のかも知れません。
  牛乳・乳製品の摂取はアレルギー体質を作る
アレルギー食品表示として、必ず表示される特定原材料(5品目)の一つが、乳・乳製品(チーズ・バターを含む)です。厚生労働省は、特定原材料(5品目)については2001年4月から食品への表示を義務付けています。特定原材料(5品目)に対しては、強度の激しいアレルギー反応を示す人たちがいるからです。先生は、生まれながらにして牛乳に対してアレルギー体質である人が一定の割合でいるということからさらに踏み込んで、「牛乳・乳製品の摂取はアレルギー体質を作るリスクを高めている」と積極的に警告しています。先生は、このことについて臨床医として次のような経験と知見を述べられています。
「市販の牛乳が体に悪いということを、35年前に私に最初に教えてくれたのは、私の親戚の子供たちでした。その子供たちは、二人ともアメリカで生まれ育ったのですが、生後6,7ヶ月の頃にアトピー性皮膚炎を患いました。
子供たちの母親は、かかりつけの小児科医の指示に従っていたのですが、いくら治療を受けても子供たちのアトピーは一向に改善されませんでした。そして、3〜4歳になった頃から、ひどい下痢を起こすようになったのです。そしてついには血便まで出るようになったのです。びっくりした母親が私を頼ってきたので、急いで内視鏡を入れて中を見るとその子供は潰瘍性大腸炎の初期の症状でした。
潰瘍性大腸炎は食事内容が関係して起きることが多いので、私はすぐに子供たちが普段からよく食べている食物を調べました。そして、ちょうど彼らがアトピーを発症した時期が、医師の指導の下に授乳を打ち切り、牛乳を与えるようになった時期であったことがわかったのです。
私は子供たちの食事から、すぐに牛乳と乳製品をすべてカットするよう指示しました。すると案の定、血便も下痢も、アトピーすらもピッタリ治まったのです。
のちに患者さんたちに食歴のアンケートをとるとき、牛乳・乳製品をどれくらいとっているかという項目を設けたのも、この時の経験があったからでした。その臨床データによれば、牛乳や乳製品の摂取はアレルギー体質を作る可能性が高いことが明らかになっています。これは妊娠中の母親が牛乳を飲むと、子供にアトピーが出やすくなるという最近のアレルギー研究の結果とも一致しています。
日本ではここ30年位の間に、アトピーや花粉症の患者が驚くべきスピードで急増しました。その数はいまや5人に1人とも言われるほどです。なぜこれほどアレルギーを起こす人が急増したのか、さまざまな説が言われていますが、私はその第一の原因は、1960年代に始められた学校給食の牛乳にあると考えています。
過酸化資質を多く含む牛乳は、腸内環境を悪化させ悪玉菌を増やし、腸内細菌のバランスを崩します。その結果、腸内には活性酸素、硫化水素、アンモニアなどの毒素が発生します。こうした毒素がどのようなプロセスを経て、どのような病気を招くのかはまだ研究途上ですが、牛乳はさまざまなアレルギーだけではなく、子供が白血病や糖尿病などシリアスな病気を発症する原因となっているという研究論文がいくつも出ています。」と警告しています。
  牛乳は消化が悪い理由
先生は、「牛乳は消化が悪い理由」についても以下のように述べています。
「牛乳に含まれるたんぱく質の主要成分はカゼインと呼ばれるもので、牛乳のたんぱく質の80%を占めます。カゼインが胃の中に入ると胃酸によって固まってしまい、消化がしにくくなるのです。もちろん母乳にもカゼインが含まれているのですが、生後間もない赤ちゃんが、母乳からカゼインをきちんと吸収できるのは、胃が未発達で胃酸の分泌が少ないからです。また牛乳によるアレルギーは、α-カゼインが原因であることが明らかになっています。
また牛乳に含まれる「ラクトフェリン」も胃酸に弱いので、たとえ加熱処理されていない生乳を飲んだとしても、大人が飲めば胃酸でその栄養は壊れてしまいます。これは母乳のラクトフェリンであっても同じです。生後間もない人間の子供が、母乳からラクトフェリンをきちんと吸収できるのは、カゼインの場合と同じように、胃が未発達で胃酸の分泌が少ないからです。つまり、同じ人の「乳」であっても、成長した人間が飲むようには作られていないということです。
もう一つ問題なのは、日本人には、乳糖を分解する「ラクターゼ」というエンザイムを充分に持っている人が非常に少ないということです。乳糖は、哺乳類の「乳」の中だけに存在する糖です。乳糖を分解するエンザイムは、腸の粘膜にあります。このエンザイムは、赤ちゃんの時にはほとんどの人は充分な量を持っていますが、年齢を重ねるごとに減っていきます。
牛乳を飲むとおなかがゴロゴロしたり、下痢をしたりする人がよくいますが、これはこのエンザイムが不足して乳糖を分解できないために起きる症状です。このエンザイムを全く持たないか、持っていても非常に少ない人は「乳糖不耐症」と呼ばれています。完全な乳糖不耐症の人はそれほど多くいるわけではありませんが、ラクターゼが不足している人は、日本人の約85%におよぶと言われています。
以上のことから解かる様に、本来「乳」というのは、生まれたばかりの子供だけが飲むもので、やはり成長した大人が飲むものではないというのが自然の摂理だからだと私は思います。」と結論付けて、「牛乳を飲んでも体に良いことは何もないのですから」とまで言い切っているのです。

新谷先生の主張は、科学的な根拠が理路整然と述べられており、現実の実情に即しているところも多く、また臨床医としての専門家の経験や知見にも裏付けられています。しかし、当HPでは、「牛乳は添加物の入っていない安全な食品として飲まれてきた長年の実績」があり、それを支持する人も多くいることから、まだ現段階では両論併記としました。今後の医学者や科学者、栄養学者などの研究成果に委ねたいと思います。




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