ガンを予防する食品(1)

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 ガンを予防する物質としてアメリカで最初に注目されたのは、発ガン物質「ニトロソアミン」の形成を防止する働きをするビタミンCの効果である。ノーベル賞を二度も受賞したライナス・ボーリング博士は、ガン予防の啓蒙活動をすると共に、自分も毎日大量にビタミンCを服用し、93歳まで生きたという。もちろんビタミンCが長寿に効果的だったかどうかは明らかではない。
またアメリカでは、医師2,2000人を対象に、ビタミンAの先駆体の一つであるベータカロチンの薬剤の臨床試験を行ったところ、肺ガンの予防に効果があったという。
さらに中国の山間部、河南省林県は食道ガンと胃ガンが多い地域である。そこの住民3万人がベータカロチン、ビタミンE、セレンを毎日服用したところ、胃ガンの死亡率が21%減少したそうだ。
日本でも、緑茶や赤ワインに含まれるポリフェノール類、トマトの色素リコペンなどによるガンの予防効果が臨床的に研究されている。(磨伊正義金沢大学名誉教授、2006年8月7日北国新聞)

大澤俊彦先生(名古屋大学教授)は、「ガンを予防する健康12食品群リスト」として、下記のようにまとめている。ガンの予防効果、発ガンを抑える作用のある物質は赤字、その物質を含む食品は青字に表記した。(NHKためしてガッテン-がん予防の健康レシピ参照)
12の食品群リストの中から、気節々の旬の地物野菜などを偏り無く摂取することが、ガンを予防することにつながる。

1.ユリ科の野菜
品目 ニンニク、タマネギ、ニラ、ラッキョウ、ネギ、グリーンアスパラなど


ニンニク、タマネギ、ニラなどのそれぞれのツンとくる独特の臭い成分がイオウ化合物であり、抗酸化作用、発ガンを抑える作用があり、血液をサラサラにする効果もある。
生のそのままの状態よりも、切ったり、油で調理したりするほうがその成分の含有量が上がり、効果的である。ただし、加熱は短めにすること。
特にニンニクは、古くはエジプトのピラミッド建設当時から、強壮の食品として知られている。米国のガン予防プログラムで候補食品のトップに掲げられ、日本の研究でもガン抑制の可能性が認められている。その発ガン抑制物質は、イオウ化合物のS-アリルシステイン、ジアリルスルフィドなどである。またニンンクの発ガン抑制効果は、特定のメカニズムに基づくというよりは、ニンニクから生成する非常に多くの成分によるさまざまな作用によってもたらされた、複合的な効果として生じていると考えられる。
2.ナス科の野菜
品目 トマト、ピーマン、ジャガイモ、ナス、トウガラシ、シシトウなど


強い抗酸化作用で発ガンを抑制するカロテノイドを含む。カロテノイドとは動植物 に含まれる、赤や黄色、オレンジ、紫などの色素のこと。トマトの赤い色の正体はカロテノイドのひとつで強い抗酸化作用のあるリコピンという色素。さらにトマトには、カロテノイドのひとつ、βカロチンも含まれている。トマト料理を週に10回以上食べる人は、食べない人と比べて、約45%もガンになる危険性が減っていたという研究報告がある。ちなみに、私はトマトが好きなので、果物感覚で毎日1~2個食べている。
ナスの皮が紫色をしているのはアントシアニン色素によるもので、その主要なものはナス特有の「ナスニン」と呼ばれる成分です。アントシアニンには活性酸素を消去する作用、すなわち「抗酸化作用」がある。
赤ピーマン(パプリカ)には、カロテノイドの一種である赤い色素カプサンチンビタミンC、ビタミンEなどの発ガン抑制物質が豊富に含まれている。
元国立病院四国ガンセンターの神野医師らによって、α-カロチン、β-カロチン、リコピンなどを含む複合カロテノイドが、肝臓ガンの予防に本格的に取り入れられ、その臨床研究の成果は、2002年10月日本癌学会総会で発表された。
3.セリ科の野菜
品目 アシタバ、セロリー、ニンジン、セリ、パセリ、ミツバなど


セリ科の植物は、昔から漢方の生薬の材料としてよく使われてきた。強い抗酸化作用で発ガンを抑制するカロテノイドや発ガン物質を無毒化する香り成分のテルペンが多い。ニンジンの黄色の正体はカロテノイドのひとつで強い抗酸化作用のある(β)カロチンという色素。β-カロチンは動物体内に取り込まれるとビタミンAに変化するのでプロビタミンAとも呼ばれる。ビタミンAにも発ガンを抑える作用がある。また最近、にんじんなどに含まれるαカロチンが、β-カロチン以上の発ガン抑制効果があることが京都府立医科大学の西野輔翼教授の実験で明らかになってきた。なお、油を使って調理するとカロチンの吸収が良くなる。
アシタバの「黄汁」には、ポリフェノールのカルコントリテルペノイドという発ガン抑制物質が含まれ、皮膚ガン、肺ガン、大腸ガンの発生抑制に効果があることが、明治薬科大学の奥山徹教授らの実験で明らかになった。
4.アブラナ科
品目 ブロッコリー、キャベツ、カリフラワー、ダイコン、カブ、ワサビ、チンゲンサイ、ハクサイなど


発ガン物質を解毒するイソチオシアナートを多く含む。イソチオシアナートとは、ブロッコリー、大根、わさびなどのアブラナ科の野菜や、スパイスなどに豊富に含まれている、ピリッとする辛味成分。数あるアブラナ科の植物の中でも、ブロッコリーにはイソチオシアナートの一種である「スルフォラファン」という成分が含まれている。ブロッコリーの新芽「スプラウト」にも、発がん抑制効果が確認されている。
お茶の水女子大学の森光康次郎助教授らの研究によって、わさびに含まれているワサビイソチオシアナートは、ブロッコリーのスルフォラファンの約1.5倍の発ガン抑制効果があることが最近分かってきた。
5.ウリ科
品目 キュウリ、カボチャ、ニガウリ(ゴーヤ)、トウガン、メロンなど


活性酸素の働きを抑える抗酸化作用の強いビタミンCポリフェノールを多く含む。ポリフェノールは、フラボノール、イソフラボン、タンニン、カテキン、ケルセチン、アントシアニンなど植物が光合成を行うときにできる物質の総称です。糖分の一部が変化したもので、植物の葉や花、樹皮などに成分として含まれており、植物自身が生きるために持っている物質ですが、人の体の中に入っても、抗酸化物として有効に働くことが明らかになっている。
カボチャには、抗酸化作用のあるβカロチン(ビタミンA)、αカロチンも含まれている。またビタミンCビタミンEも多く含まれていて、これらは体内で協力して働き、活性酸素の働きを抑えて発ガン抑制効果を持つ。
6.キク科
品目 ゴボウ、レタス、サラダナ、シュンギク、フキ、フキノトウなど
特徴 発ガン物質などの、腸内の有害物質を体外に排出する働きを持っている食物繊維が多い。従って、食物繊維が不足すると便秘になりやすく、ひいては大腸ガンなどの大腸の病気になりやすい。
7.マメ科
品目 ダイズ、ソラマメ、グリーンピース、サヤエンドウ、サヤインゲン、モヤシ、エダマメ、豆腐、納豆、きな粉など。
特徴 抗酸化作用と女性ホルモン作用のあるイソフラボンなどのフラボノイドが乳ガンや子宮ガンなどを防ぐ。イソフラボンは、本体の豆の部分よりも胚軸と呼ばれる部分に多く含まれる。フラボノイド (flavonoid) は天然に存在する化合物で、フラバンの誘導体。色素性を持つものも多く、強い抗酸化力を持っている。植物ではカロテノイドと同様に酸素の多く発生する場所に存在するが、カロテノイドよりも色が淡いのが特徴。
ダイズには、イソフラボンのほか、サポニン、フィチン酸、トリプシンインヒビター、オリゴ糖、ビタミンEなどが入っていて、豆腐、納豆、きな粉などは生活習慣病の予防に効果がある。
8.香辛料
品目 ショウガ、ゴマ、青ジソ、ミョウガ、バジル、ミント、ローリエ、オレガノ、ターメリックなど。
特徴 抗酸化作用のあるポリフェノールや発ガン物質を無毒化する香り成分のテルペンが豊富で発ガン物質の活性化を防ぐ。
ゴマには、セサミン、セサモリン、セサミノール配糖体などの抗酸化物質が含まれていて、発ガン抑制効果がある。特に黒ごまには強い抗酸化作用があり、さらに黒ごまの黒い果皮に含まれる色紙は、ポリフェノールの一種で、これも強い抗酸化作用がある。生活習慣病の予防や美容のために、ごま類を摂取している人は結構多い。
カレーの香辛料として欠かせないターメリックの主要成分であるクルクミンは、黄色の色素成分です。このクルクミンは、体内でテトラヒドロクルクミンという強力な抗酸化物質に変わり、ガンの予防効果を発揮する。名古屋大学の大澤俊彦教授らの研究グループが、その事を実験で明らかにしている。
9.柑橘類・ベリー類
品目 ミカン、オレンジ、レモン、グレープフルーツ、スダチ、カボス、ライム、ブルーベリー、イチゴなど。
特徴 ビタミンCフラボノイド、カロテノイドが抗酸化作用を発揮し、ガン細胞への抵抗力をアップする。
農業技術研究機構の矢野昌充氏らによって、温州みかんに含まれるβクリプトキサンチン、オーラプテン、ノビレチンに強力な発ガン抑制効果があることが分かった。βクリプトキサンチンは、カロテノイド(色素)の一種で、みかんのオレンジ色のもとになる成分です。βクリプトキサンチンの分子構造は、にんじんやかぼちゃに含まれるβカロチンによく似ている。もう一つの発ガン抑制成分であるノビレチンは、特殊なフラボノイドで柑橘類にしか含まれない成分です。またβ-クリプトキサンチンは、肝臓の働きを助ける効果があることも明らかになった。
もう一つの発ガン抑制成分であるノビレチンは、特殊なフラボノイドの一種で、柑橘類にしか含まれない成分です。ノビレチンはシイクワサーの皮の部分やジュースに多く含まれ、動物実験により大腸ガン、皮膚ガンの発生、ガンの転移を抑制することが確認されている。
もう一つの成分のオーラプテンとは、主に夏みかんやグレープフルーツ、はっさくなどの皮に含まれる香り成分で、発ガン抑制効果がある。
ブルーベリー、ビルベリー、ラズベリーなどのベリー類は、アントシアニンを多く含み、抗酸化性を示し、発ガン抑制効果がある。これらを原料とした健康食品が沢山販売されている。
10.海藻類
品目 ワカメ、昆布、ヒジキ、モズク、海苔など。
特徴 カロテノイド食物繊維を含み、甲状腺ガンや乳ガンなどを予防するヨウ素フェノール類が多い。ヨウ素は、ナポレオン戦争の際、海藻から火薬を製造しているときに偶然発見された元素です。ヨードと呼ばれることもある。生体内では、そのほとんどが甲状腺に存在し、甲状腺ホルモンの構成成分として重要な役割を担っている。
ひじきやわかめ、昆布、海苔などの黒っぽい色の成分であるフコキサンチン(カロテノイドの一種)に発ガンの抑制効果があることが分かっています。ひじきやわかめ、昆布、海苔、ひばまたなどに含まれるフコイダンにも発ガンの抑制効果があることが分かっています。フコイダンは、海藻の表面のヌメリの主成分です。京都府立医科大学の西野輔翼教授らが、海草類の発ガン抑制効果を実験で明らかにしている。
また海苔などの紅藻類には、ニンジンの3~4倍のβカロチンが含まれていて、その含有量は食品の中でトップで、ガンを抑制する効果が高い。
11.キノコ類
品目 シイタケ、シメジ、エノキタケ、マイタケ、キクラゲ、エリンギ、ナメコ、マッシュルームなど。
特徴 免疫力を高め、ガン細胞の増加を抑えるß-グルカンを含む。キノコから抗ガン活性を示す高分子多糖体の「β-グルカン」が発見された。キノコに含まれるβ-グルカンには人間の免疫力を高める効果がある。しかもこの多糖類はガンに直接働いて縮小させるのではなく、体の免疫を強化して間接的にガンを縮小させることも明らかになった。
β-グルカンはキノコの種類によって、まいたけMD-フラックッションえのきだけたんぱく多糖体ぶなしめじ糖タンパク質多糖体なめこなめこ子実体しいたけ多糖体がある。またしいたけの多糖体は「レンチナン」という薬品名で、ガンの治療薬として使われている。
12.穀類
品目 玄米、発芽玄米、雑穀、大麦、トウモロコシなど。
特徴 体内で活性酸素を無毒化する酵素の材料となるセレンが多い。セレンはあらゆる動物の発育と生殖に欠かせないミネラルの中の必須元素の一つで、発見されてから20年余りしか経っていない。セレンには過酸化脂質を分解するときに働く酵素の重要な成分となり、活性酸素の害からからだを守る働きがある。セレンの抗酸化作用はビタミンEの約500倍といわれ、ガンを予防する。




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